やれやれ、これじゃ助言なのか、八つ当たりなんだかわからないな。


伊達は俺と花が付き合った経緯までは知らない。


元はと言えば、生活指導の河井先生に言われて成り行きでオッケーしてしまったんだよな。


1日10分なんて条件に、花みたいなお嬢様はすぐに音を上げるんだろうなって思っていたけど。


いつのまにか、花に毎日会うことは俺の日常になりつつあった。


花とは、たわいもない会話ばかりしていて盛り上がるときもあればそうでもない時もある。


だけど、どんな時もとにかく彼女はいつも明るくてニコニコ嬉しそうにしている。


そんな顔を見るとホッとリラックスして全身の力が抜けていく。


彼女のささやかな要望にもなるべく応えるようにしているし自分では結構うまくいってる気がしている。


あれ以来、河井先生に睨まれて呼び出されることもないし、花だって俺の取り巻きにいじめられていないし。