ー実はですね、あなたのご両親のことなんですが…ー

ーはい、何でしょうか?ー

ーえぇ、あのですね、昨夜、ご両親の遺体が見つかったんです…ー

ーあっはは。冗談やめて下さいよ。ー

真剣なまなざしで凛香を見た。

ー冗談だったらよかった。けど、現実なんだよ。ー

ーはぁ、そうですか。ー

ー君は悲しくないの?ー

悲しい?なんで私が?いつも放ったらかしだったんだよ。

ー全然。一人は慣れているので。ー

ーこれからどうするの?ー

ー適当に過ごします。ー

ー人生はそんな甘くないよ?君が思ってるほど。施設を紹介しよう。ー

施設?この私が施設暮らし?
ふざけんな。

ー結構です。一人で生きていきますから。ー

ーそういうわけにはいかないだろう?生活する金あるのか?ー

ー働きますから。ー

ーそうか…。わかった。でも困ったら電話しろ。ー

ーわかりました。ー

ーじゃあな。ー

やっと帰った。
ウザかったな、あの警察官。
これからどうしようかな。
とりあえず働かなきゃだな。
稼ぎがいい仕事かぁ。
あれしかない。

私は着替えて、家を出た。