「カホラッキーだったね!
これで毎日話したりできるじゃん!」
外で春の日差しがあったかい昼休み。
亜衣はそう言ってお弁当を広げる。
あたしはお弁当どころじゃなくて、
いまだにどきどきしている。
「でもあたし、まだどきどきが
止まらないよ~…」
「もうカホは!
席が隣になったごときでそんなに
どきどきしてちゃ始まらないよ!
もっと自分に自信持ちなって!」
亜衣はいつもあたしに一押しする
言葉をかけてくれる。
「でもなんて話しかければ
いいのかなぁ…」
「無理に話してみることより、
挨拶からはじめてみたら?」
挨拶…挨拶!
タクヤに挨拶!
緊張するなぁ~…
「今日帰る時、バイバイって言うんだよ!」
そんなこんな亜衣から
アドバイスを受けながら教室に戻った。