汗ばんできた手を握り締めて、
どきどきしながら、タクヤの机に
あたしの机を合わせた。
タクヤはチラッと上目でこっちを見た。
あたしはどきっと胸打ちされる。
「カホとってあんま隣の席に
なったことねーなっ」
ニカッと笑ってあたしにそう言う。
「え、あははっそ、そうだねっ」
あわてて言葉を並べる。
どきどきがおさまらない。
だって毎日この隣の席で、
毎日こんな近くで授業受けるなんて
考えもしてなかった。
それに、タクヤの隣の席になる
なんてこともあたしの頭の中には
全然想像もしてなかったことだった。
だから、こんなにどきどきするなんて
思ってもなかった。