「でもさ、カホは結構可愛い方だから、

 別に問題ないと思うよ?」




「問題ないって?」




「だからぁ!そんなうじうじしてないで
 
 自分をアピールしろって意味!」



亜衣はそう言ってチャイムが鳴ってから

自分の席についた。



「ほら席に着け!今日は席替えをするぞ!」



先生が張り切って教室に入ってくる。



入学したてのあたし達の席は、

男女出席番号順にきっちりと並んでいる。



タクヤは3番で、あたしが4番だったから

つまりあたしの斜め前。





このままでいいのに…



そう心の中でつぶやいて

しぶしぶ前へ席決めのくじをとりに行く。