学年が違う分、同じ教室になることは100%ない。



学校の門で、

別れる瞬間は寂しくて…




『何でそんな早くバイバイするの』

「何で?」

『何で?』

「じゃ、ばいばい」


と、

言うと急に抱きしめられた。





たくさん人がいるのに…恥ずかしいという感情がこの人にはないわけ?って感じ。




「これでいい?」

『最上級にやだ』

「どこの教室?」

『306』

「遠くね?」

『間違えた、205』

「一緒に行こう」

『え、いいの?』

「俺の教室にも送って」

『どうやって?』

「おんぶして」

『無理です』




話している間に早いもので205室に到着。



「またお昼な」

と、

手を振って颯爽に行こうとする凌久くん。



『何で、そんなサバサバしてるの』

「もう遅刻するから行く」


と、

言って行ってしまった。





私が5歩歩いた瞬間にチャイムが鳴ったから凌久くんは間に合わなかっただろう。



ごめんね。



遅刻3回で欠席1になってしまい、欠席5になると自動的に単位が取れなくなってしまう仕組みになっている。




ただ、私は嫌がらせでわがままを言ったわけじゃなくて…


いつも、

このバイバイの仕方が寂しかっただけ。





凌久くんはわかってくれるかな。