最後の方は、凌久くんに手を引かれるように歩いていた。
「ただいま」
『お邪魔します』
部屋に入っても、繋いだ手を離してくれなかった凌久くん。
接着剤でくっついてしまった様だった。
でも、何だか可愛く見えた。
凌久くんの顔を伺っていると、突然引き寄せられ抱きしめられた。
どうしたんだろう。
何か、気持ちの変化でもあったのかな。
恋愛初心者の私からしたら、え?え?って、感じだった。
それに、凌久くんの気持ちを読み取る方ができず、申し訳ない気持ちになった。
『凌久くん?』
「やっと2人になれた」
凌久くんはそう言った。