思い返せば、何度この家に生まれてきた事に後悔をした事かわからない。
私はこの家が当たり前だから、わからなかったけど…普通じゃない。
と、
理解したのは中学2年の頃。
家に、お手伝いさんがいて…父親が不動産系の経営者。
母親も、それなりに経営に関わっていて、忙しくて帰ってこない事も珍しくない。
そういう時は、お手伝いさんの小川さんが身の回りの事をしてくれている。
小川さんは、
物心がついた頃から傍にいてくれてるから私にとってはいて当たり前の存在だった。
それはいまと同じ。
だからこそ、友達に普通のように話していたら
「お金持ち」
「お手伝いさんがいることが自慢？」
とか、
心ない事を言われて、イジメに発展してしまったことがあった。
高校に進学する際に違う高校に行けば良い話だったんだが、
『イジメにあってる』
なんて、
口が滑っても両親には言えなかった。
イジメにあってて、違う高校に行きたいと言ったら転校も考えてくれたかもしれない。
けど、
言うこと自体が怖いと思ってしまった。
エスカレーター式の高校に行った為中学にいた人達もそれなりにいて、イジメはすぐになくなることはなかった。
