凌久先輩が歩いて行く方向は大学方面とは真反対だった。
大学周りはまだしも、
ここらへんは、
全く土地勘がなく、ただただ凌久先輩に着いていくだけだった。
前に歩いている凌久先輩は、携帯をいじりながら…話す事なく歩いていた。
いつもなら、色々笑って話したり…冗談を言って笑わせてくれるのに…
今日は、
何だか雰囲気が違った。
ずっと、不安だったのは変わらなかったけど…不安すぎて泣きそうになっていた。
泣きそうになってる時に、凌久先輩の家に着くという最悪な展開で…
泣き顔なんて…見せられない。
もう、嫌だ。