『これ美味しい』

「良かったな」

『凌久先輩も食べてください』

「凛」



と、不意に名前を呼ばれて変にドキッとしてしまった。




ちょっと、不意すぎる。


え、何?

また変なこと言い始めないでよね…





『何ですか?』



ドキッとしてないのを装うのが大変で、凌久先輩の目を直視できなかった。





「先輩じゃなくて、凌久って呼んで」

『無理です』

と、

考える事なく、即答した。




「何で?」

『だって、先輩ですもん』

「先輩じゃなかったら呼べるの?」

『考えます』

「何それ」