なかなか、状況が飲み込まず…この事態を理解するのに時間がかかった。




『夢?』

「ほっぺ、つねってやろうか?」

『うん』




凌久と少し体を離すと、容赦なくほっぺをつねられた。




『ぃ、痛い』

「痛かった?ごめん」




そう言って、笑った凌久。




痛くて、良かった。

今、凌久に抱きしめられてるのは夢じゃなくて現実のようです。




また近くで、この笑顔を見られると思うと幸せで…


それに、

現実を飲み込めば飲み込むほど、涙が溢れてきた。




この、2年半…ずっと悲しい涙を流していたけど、久しぶりに嬉し涙を流した気がした。