恐る恐る入ると、真っ暗な部屋にテレビだけついていて凌久は奥の寝室で寝ている様だった。



自分から、

電話しといて…寝るなんて最悪な奴だ。




と、思いながらも、私は迷いもなく凌久の傍に駆け寄った。






『凌久』




声を掛けると、凌久は静かに目を開けた。

久しぶりに顔を合わせたのに…第一声は「頭いてぇ」だった。




『飲み過ぎた?』

「…それだな」

『凌久、何かあった?』


と、

聞くと凌久は何も答えず私を抱きしめた。





半年間、会っていない気がしないほど…安心する腕の中。


私も、凌久の背中に手を回した。







「少し、このままでいさせて」




時間が止まればいいのに…

このまま、世界が滅亡しても後悔はないと思う。