「会いたい」

と、

言われ…私の体は勝手に動いていた。




気づいたら、コートを着て…物音を立てないように玄関を出て凌久の家に向かっていた。





もう、真夜中だから…

電車の中は、ガラガラで少し寂しかった。





凌久に会ったら、またあの辛かった時期に元通りかもしれない。



けど、

今の私に会わないという選択がなかった。







懐かしい道。

いつも、凌久と手を繋いで歩いていた道。



最後は涙を流しながら、歩いていた道。

そんな道をまた通るとは思わなかったけど…