いつも迎えに来てくれる凌久はいない…

大学まで一緒に歩いてくれる人はいない。




少し手が寂しかった気がする。







狭い視界の中でも、無意識に凌久を探している自分。


いないのに…いるかもという期待。

無意識って怖いね。





講義の教室に行くと、いつもの席に咲良ちゃんが座っていた。




「凛」

『おはよう〜』

「おはよう、気分はどう?」

『いい感じよ』




気を使ってくれてありがとう。

そんな、咲良ちゃんの気持ちだけで嬉しかった。