起きても凌久はいないし…スマホを見ても、凌久からの連絡はなかった。
これは夢じゃなくて…現実。
どれだけ、目を擦っても…現実が変わる事はなかった。
私は、リビングに行き料理を作っていたお母さんに『大学休む』と伝え、すぐに部屋に戻った。
凌久がいる場所に行ける気もしないし…
会ったら、
自分ではいられない気がする…
でも、凌久に会わなくても、私の頭の中には凌久の事でいっぱいだった。
スマホを開けば、
昨日行った遊園地の思い出の写真。
LINEを開けば、昨日までしていた凌久とのやりとり。
スケジュール帳を開けば「凌久宅」と書いてあって…
私が、どれだけ凌久を求めていたのかがわかった気がする。
あの時は、
凌久と一緒にいられる事、手を繋げること、キスできる事が当たり前になっていた私。
でも、当たり前じゃなかった。
当たり前じゃなくて、幸せにしてもらえてる事がどれほどの幸せな事かを実感した。