疲れてしまい、最後の方は凌久に手を引かれていた。
ただ、いつものこと。
凌久は何も言わず、手を引いてくれていた。
「ただいま〜」
『おかえり〜ただいま〜』
私は、真っ先に凌久がいつも座っている1人用ソファーに座った。
前までは、
凌久の膝の間が私の定位置だったけど…
ここが私の定位置になってきつつある。
から…最近は何も言わず、私の膝に肘をついてくつろいでくるけど今日は違った。
距離を感じるほど遠くに座った凌久。
何か、嫌な予感しかしなかった…
さっきまで、あんなに楽しかったのに…
『そういえば、渡したい物って何?』
「凛」
『何?』
「俺の話聞いてくれる?」
『何?』