私は、お母さんに言われた事を隠して…後日、凌久に会った。
何も知らない凌久は、
普通に手を繋ぐし、キスもしてくる。
それが私たちの当たり前の日常だった。
凌久にいつまでも隠していられるとは思っていないけど…
けど、
少しでも現実を忘れたくて…必死だった。
『もう少しで、凌久も就活だね』
「仕事したくねぇよ」
『どこか行く?』
「何それ」
『現実逃避』
「凛と?」
『うん、そう』
「それもいいかもな…」
と、
凌久は笑ってキスをしてきた。
凌久と、どこかに逃げられたらどれだけ楽になるんだろう…
そうやって、出来ないことを夢見る癖。
最後は自分が辛くなるだけなのに…