特に何も話さず…自分の気持ちが落ち着くまで一緒にいるつもりだった。



でも、

凌久がボソッと呟いた一言で自体が動いた。





「凛、あれ父ちゃん?」




凌久の見ている先を見ると、家に入っていく1人の男性。



隠すも何も、自分の父親だった。

正直、嫌な予感しかしなくて…



私は、とりあえず凌久に『帰る』と言って…家に入ったけど遅かった。







「付き合ってるのか?」

『ぅ、うん』




私は、嘘ついても仕方ないかなと思い父親の問いに関して正直に答えた。



けど、

隣にいたお母さんが黙っているはずがなかった。





「嘘ついていたの?」

『嘘ついていたのは申し訳ないけど…』

「お母さん、呆れたわ…」

『ごめんなさい』

「悪いってわかってて何で嘘つくの?」

『だって、私の事を何も知ろうと思わないのに、勝手に6時門限にしたり…付き合ってるって言ったって反対するでしょ?』

「当たり前じゃない。大学は何しに行ってるの?」

『そうやって言うのがわかってたから隠してたの』



と、

私もお母さんの喧嘩はヒートアップするばかりだった。