「すげぇ声が怖いんだけど…」
『怒ってるって言ったら帰ってきてくれんの?』
「怒ってるじゃん」
『帰って来れないんだから、私の機嫌を取るような事しないでいいんじゃん?』
と、
言うと凌久は何も言わなかった。
私の気持ちも考えてよ、と言いたい…
ここで、待ってる身にもなってよと言いたい。
毎日電話するって約束して、期待していた身にもなって、
と、
怒りたいけど…
怒ったって凌久は帰って来ないし…自分が嫌になるだけだから言わない。
『友達と前で電話してって言うほどわがままじゃないから大丈夫。』
「今も友達いるけど」
『なら、切るよ』
「何で?」
『何でって…帰って来たら会おう』
その後、電話を切った。
凌久は実家に帰らずに、友達の家にいるのかな。
友達のために、地元に帰るのかな。
想像すれば、するほど意味がわからなかった。