1時間かけて着いた先には、私が一番会いたかった人が待っていた。





「おはよう、元気になった?」

『なった』

「良かった」


と、

凌久は笑いながらいつも通り手を握ってくれた。









この手で、私を幸せにしてくれて…安心させてくれる大好きな手をずっとずっと握っていたい。





そんなふうに、

凌久にも思われてたら更に幸せだなと思う。





「一瞬、凛の母ちゃんが厳しい人で家から出してくれないのかなって思った」



既に、

見破られてる気がして鳥肌が立った。



私は、隠すのも辛いし、嘘をつくのも嫌だったから2日前のお母さんとの話をした。





『6時までだって言われた』

「凛の家、厳しそうだと思ってたけど」

『…ごめんね』

「凛が謝ることじゃねぇじゃん」


と、

凌久は笑って私の肩に手を回して引き寄せてきた。




今、泣いてもいいですか。

本当に、凌久の優しさに涙が溢れそうだった。