結局、言い合いをしてて家を出たのは4時半すぎだった。
いつものように、手を繋いで駅に行って…
いつもと同じところで手を振って別れた。
2人でいた時間が長かった分、離れるのは寂しかった。
でも、
凌久はバイトだし、わがままは言えない。
明日も会えるし、我慢して別れた。
高校時代、よく加奈が「彼氏に会いたい」と、言っていたあの頃が蘇ってきた。
『そんな、彼氏いい?』
「いい」
『1人の方が楽じゃない?』
「凛も好きな人ができたらわかるよ」
そう言われ、
わかるわけがない!と思ってたけど…
今になってわかった気がした。
自分の中だけで素直になれば、今すぐ会いたいし、ずっと一緒にいたい。
そんな、
存在に出会えただけでも私は幸せだと思う。
家に帰った後も、脳内から凌久が離れてくれず…なかなか苦労した。
いつも通りご飯を食べて、
いつも通り、お風呂に入ったけど…
頭の片隅にいるのは凌久だった。
人間って、恋をするとこうなってしまう生き物なのだろうか。