聞こえてるはずがないと思っていたけど…


それか、

偶然かはわからないけど…



凌久が来てくれていた。






『凌久』と言って、凌久の手を握った。

もうある意味、癖かもしれない。





「寂しかった?」

『寂しくない』

「嘘ばっかり」




凌久はそう言うと静かにキスをしてきた。





一回ではなく、何度もだった。

凌久の繋いでいない右手が私の髪の毛を触れた。





もう既に、凌久のペースだった。




「呼んだなら、責任取れよ」

と、

凌久は笑った。





やっぱり、小さな声で呼んだのが聞こえたんだね。


それか、

私の声が意外と大きかったのかな。




しかし、凄いの言葉に尽きる。