お先に座っていると凌久くんがアシカのリクくんを連れてきてくれた。




『可愛いふわふわ』

と、

リクくんを抱っこしていると…



「リクの方が可愛がられてるじゃん」と、なぜかリク同士がライバルになってしまったみたい…




私の取り合いなんて、幸せだけど…

リクくんを見るとキョトン顔で、一点を見つめていた。





『うちのペット』



私たちを見守ってもらえるようにテレビの横に置いた。




『どう?』

「可愛い、凛が」

『リクの方が可愛いよ』

「ありがとう」

『本当、ややこしい』

「凛、来て」






手を広げて待っている凌久くんの元へ行くと抱きしめられた。

大学の目の前で、抱きつかれた以来だったから久しぶりに感じた。





何だか、

凌久くんの腕の中が予想以上に安心した。