『すごい大きい水槽!』

「水槽って」

『水槽じゃないの?』

「水槽だけど…言い方が笑えた」

『笑わないで、馬鹿』



と、

言った瞬間、繋いでいた手が急に離れた。




え?

なぜ、離れた?



もしかして、言い方が気に入らなくて怒ってしまったのかな。





凌久くんの気持ちが一瞬にしてわからなかったし、自分から手を繋ぐ勇気がなくなった。





『ペンギン、可愛いね〜』


と、

何もなかったように話したけど…心の中ははちきれそうだった。





「足短いな」

『名前考えて』

「太郎、二郎、三郎」

『みんな兄弟なの?』

「そう」

『可愛いけど、ばいばい〜またね』






ついつい、いつもの癖 で凌久くんと手を繋ごうと思ったら既にポッケの中に手を入れていた。




もう、繋ぎたくないアピールじゃん。

凌久くんの存在さえ、怖く感じてしまった。





言い訳にしちゃダメだけど…恋愛経験がない私にとっては全てがわからなかった。