見られたのも恥ずかしいし、写真持たれてるのも恥ずかしいし。


そもそも久しぶりすぎて、話すもの恥ずかしい。


「…寂しかった?」


俯いたままでいると、会長が私を覗きこんだまま聞くので。


「いえ、全然」

「あ、そ」


会長は面白くなさそうに呟いたかと思うと。

私の髪に触れて。


「バイト中、髪、結んでんの?」

「規則なので…」

「ふーん」


ふーんじゃなくて、離してほしい。


「未来、なんで今日こっち見ねーの?」

「えっと…」

「ずっと俯いてる」

「あの…」


「照れてんの?」


はい、照れてます、正直かなり。

なんて言えない。


なんか今日の会長は、ゆるい。

俺様感が薄くて、甘い。


微熱のせいだ、きっと。


このままいったら、私の心の防波堤が、決壊する…。