いや、そりゃ、座るだろうけど。


ち、近くない…?


身体が触れそうなくらいの近さに、会長がいる。

立てた片膝に顔を乗せて、私を覗きこむような姿勢で。


近い上に、めっちゃ見られてる…!


まだ微熱のある会長の瞳は、少しとろんとして熱っぽくて。


「バイト、疲れた?」


少し掠れた声でそう囁かれて、私の体温まで一気に上がる。


「いえ、全然」

「制服似合ってた」

「またまた…」


見たこともないくせに適当言うなあ。

そう思いながら、オレンジジュースに手を伸ばす。


「流奈に写真送らせた」

「は?!」

右手に持ったグラスを、危うく落としそうになった。


「写真なんて撮ってません!」

「あー言ったら未来嫌がるかなと思って。盗撮?」

「犯罪です!」


俯いたまま言うと、会長は楽しそうに笑う。