そんな私をよそに、会長は平然と突当たりの部屋のドアを開けて。
「ソファ座ってろ」
私をリビングらしき部屋に通した。
ひっろいな…。
何畳くらいあるんだろう…。
私の部屋が8畳だから…と、無駄な計算をしてしまう。
冷房が効いてひんやり涼しい部屋の、ベッドより大きいソファに座る。
すっごいふわふわだし…。
場違い感がつらくなってくる。
それにしても物の少ない部屋だな、と思う。
生活感がないっていうか、片付きすぎてるっていうか。
「あの、お家の人は…?」
「いないけど」
「お仕事ですか…?」
「いや、ここ、俺しか住んでないし」
「え…、じゃあどこに住んで…」
「別の階の部屋。このマンションうちのだから」
…全然、理解出来ない。
そんなことってあるの?現実に。