「あ、あの」

「は?」


真っ黒な目でギロッと睨まれる。


「その……。先日は、ありがとうございました」

「なにが」

「なにが……って。助けてくれて」

「うちが? アンタを?」


助けて、くれましたよね。

小西さんに襲われてるところ。


「べつに……台本通りに進めてただけで。助けたつもりないけど」

「そんなこと、ないです。あのとき。頭が真っ白で……怖くて……だけどみうさん、正義のヒロインって感じで!」

「なにコイツ。きもちわる」


どうしよう引かれちゃってる。

でもでも、これがわたしの素直な気持ちだ。


「っ、強いんですね。肉弾戦も」

「は? ニクダンセン?」

「それに、機械にも! そんなに可愛いのに。……ギャップにヤられちゃいます」