薄明かりのついた部屋で
カイくんから逃れられないまま
じっと、見下ろされる。
「傷ついても。怖くても。追っかけたくなるほど。離れられないほど。そんなに好きなんだ?」
「…………はい」
そっか。
わたし、カイくんが、好きなんだ。
「ちゃんと言って」
一緒にいてドキドキするのも
触られて嫌じゃないのも
カイくんを追いかけたくなるのも
「……好き」
「知ってる」
色んなコト知りたくなるのも
力になりたいのも
「わかりやすいもん。キミ」
「……ごめんな、さい」
「なんで謝るの」
「迷惑。……ですよね」
「べつに」
「え?」
「その気持ちがあるうちは。僕に利用されてくれるでしょ」