これ以上のドキドキは、無理です。

ぜったい気絶します。

死にます……!


「ご苦労様」


耳元で、そっとささやかれる。


「……っ」

「でも。無理しちゃダメだよ?」


やめてください。イケボ。


「心配させないで」


心配なんて……してないでしょ?


「小西に襲われかけたとき。僕が助けに来るって期待してたんじゃないの」


駆けつけてくれたのは、みうさんだった。


「僕に見捨てられた――って。思った?」


思わなかったと言えば、ウソになる。

そろそろ愛想つかされた……って。


「わたし。バカ、だから」

「僕は。行こうとした」

「え?」

「けど。ママに止められてね」


……? ママに?

「予定通り未侑が処理するから。お前は動くな――って」