小西さんは、家や近所に誰もいない時間を狙って女の子と"秘め事"に及んでいた。


「彼が教え子のうちにカメラを仕掛けていたのは。単なる性癖ってわけじゃなく。住人すべての生活リズムを知るためでもあった」


安全なはずの我が家は

"怪物"に、侵食されていた。


「それにね。小西の生徒は小西に好意を抱いていたんだよ。親や周りにバレたくなかったのは、生徒も一緒さ。小西に協力的にならざるを得なかったんだねえ」

「小西さんがしていたことは。……たとえ合意の元であっても、許されないことなんですよね」

「そりゃあ。子供はオトナが守ってあげるものだ。小西が未成年と清い関係を保つのは当然のルールであり社会のあり方とされる。家庭教師ったって教えられることに限界あるでしょ」