ムーの体は、ふわふわっとお空の方へ浮かびあがった。


あっ、もうお別れなんだ。


ムーは、えらいね。やさしい猫だね。
最後のお別れに来てくれたんだよね。
そうだよね。


ムーの姿は、どんどんちいさくなった。



「バイバーイ!」



わたしは、お空へ帰るところをずっと見上げて手を振った。



「にゃー!」



力いっぱい、また鳴いてくれたムー。
わたしの涙は、もう乾いている。

ムーは大きな鳴き声で、
わたしは精いっぱいの笑顔で、
お別れをした。


わたしの手には、まだムーのやわらかい毛の感触が残っていた。