村山さんは、そこまで言うと目に浮かべた涙を拭った


校長先生は、いつの間にか部屋からいなくなっていた

気を利かせてくれたのだろうか??


てか・・・





「ごめんね、僕の思い出ばっかり話しちゃったな」



そう言いながら、もう一度涙を拭う村山さん


いいから、続き言えよ



一樹は、そう言いたくなるのを抑えた


村山さんがいい人なのは分かる

思い出を語る村山さんは、いい人な雰囲気をかもし出している



それでも・・・

そんないい人なのに、自分を捨てた



その事実が、一樹を苛立たせていた




「もう少しだけ、話をさせてくれるかな」



そういって、穏やかに話しかけてくる村山さんに、一樹は



「短く話してください」


とギロリと睨みながら返す


そんな一樹に、村山さんは少しだけ顔を暗くした