「2人ともやめろ。」
一樹が、殴りかかろうとしたまさにその瞬間だった。
奥の方から声が聞こえた。
「一樹。豪さんが待ってるぞ。」
「すまねぇな。こいつがひきこもりだから時間かかっちまって。」
奥から出てきたのは、梶直樹。
「ひどっ。ひきこもりじゃないって何回言ったら分かるんだよ。」
「入学式早々学校休む奴の、どこがひきこもりじゃないってんだよ。」
「だからそれは寝坊したんだって言ったろ。」
一樹は裕二と言い合いながら、梶に手を振って奥へと進んでいった。
残った男は、口をあんぐりあけて一樹たちのほうを見ている。
その顔の面白いことといったら・・
笑える!!