「…一樹」
そのとき、今まで黙っていた望武
ていうか、いつも無口な望武が珍しく喋りかけてきた
「なんだよ」
といいつつも、やっぱり喋りかけてくれるのは単純に嬉しい
てことで、軽く笑いながら返事をした一樹だったが――
「あいつは…柚樹は強いのか??」
「………はぁ??!」
「お前が狙われるってことはあいつも狙われるってことだろ…」
いつもの無表情な顔でそんなことを言う望武
こいつ…
やっぱ柚樹のこと好きなんじゃねーか!!!
「ドジなとこ以外は、まあまあ強いんじゃね??」
だが、あえて心の中は出さずに返してみる
と、望武はチッと舌打ちをして
「そこが一番危ねぇだろ」
と呟いた