「俺もプライベートのダチ連れてくから、お前も一人連れてこいよ。」
学校が終わった一樹は、豪に誘われて、ある人物と一緒に豪の族のたまり場に行くことになった。
「それにしても、俺を誘ってくれるなんて思わなかったな。」
「しょうがないだろ。八川くらいしか連れて行ける人がいなかったんだから。」
一樹が誘ったのは八川裕二。
中学時代からの友人だった。
更に言うと、一樹が捨て子だったことを知っている唯一の友人。
そして、入学式に来なかったただ一人の新入生で、それと同時に一樹が女の子と知っている唯一の舟艇学校生徒だ。
「それより、一樹は俺と同じクラスだったか?」
「あぁ。てか、お前が自分で確かめに来いよ。入学式に来ない奴なんて誰一人いなかったぞ。お前以外な。」
「しょうがないだろ。寝坊したんだから。」
「だからって普通休まないだろ。」
・・・なんでこんな常識外れのマイペース野郎を誘ってしまったんだろ・・・
いまさらながら、そんなことを思う一樹であった。