「え、何この可愛さ。一樹の妹だとは思えねぇ…」
「てか、思いたくねぇ」
教室に戻ると、柚樹はすでに居座っていた
もう先生にも公認されているらしく、何も注意されていない
柚樹は、普段は普通の女の子なのに、こういうところに来ても物怖じしない性格を、母から受け継いでいる
血は繋がっていないのだが…
こういうとこは似なくていいっての
心の中で、そう呟く一樹だが、自分もまたそういう性格を受け継いでいることを分かっていない
「なあ、俺と付き合ってよ」
「いやいや、こいつよりは俺のがいいっしょ!!」
「そりゃ、俺と付き合うよね」
一樹が教室に入ったのにも気づかず、教室の男子どもは柚樹をナンパ?していた
このクラス…どんだけタラシ多いんだよ
一樹は思わず心の中でそう呟くが――
「ん…どうしよっかなぁ??」
なんて呟きながら、真剣に男子を眺めている柚樹には、叫ばずにはいられなかった
「お前…!!絶対に俺のクラスの奴と付き合うとか言い出すんじゃねぇぞ」