その時、呆然としていた豪たちの視界を、フッと横切るものがあった。

横切ったものは、ものすごい速さで一樹たちに向かって突進していった。

そのものの手にはナイフが握られている。




 「危ない!避けろっ!!」




豪は思わず、一樹たちにそう叫んだ。

一樹と進二はサッと向かってくるものから身をかばって避ける。

裕二はというと・・




 「バキューン!ウゥっ・・」




銃で撃たれたふりをしながら横に倒れていた。

紙一重だが、突進してきたものもかわせている。




 「ちっ・・くそ!」




突進してきたものは、そう呟くと持っていたナイフをバックにしまい、逃げていった。

またまた豪たちは呆然と立ち尽くしてしまった。