「母さん!弁当は?」




 「そこにあるでしょ。早く行きなさいよ、八川君待ってるんでしょ。」




いつもなら言い返す一樹だが、今日はそんな余裕すらない。

どんなに余裕が無くても、朝ごはんだけは忘れないのだけれど・・




 「いってきまーす」




一樹はそう言って走り出した。