そんな空気のまま歩いていたら、いつのまにか裕二のマンションの前まで来ていた。




 「じゃぁ、また。」




そう言って去ろうとする裕二を引っ張る一樹。

「何?」と言う裕二に




 「お前、また明日って言わないところをみると、明日も来ないつもりだろ。だから俺が特別に明日7時25分にここ来るから寝坊するなよ。特別に・だからな!!」




と、やたら特別に!を強調させてそう言うと、恥ずかしかったからかわざとらしく欠伸をしながら背を向けて帰っていった。




 「・・一樹も寝坊するタイプだと思うんだけどなぁ・・・?」




そうつぶやいた裕二の声は、すでに一樹の耳には届いていない。

しばらく一樹の進んだ道を眺めてた裕二だったが、やがてマンションの中に入っていった。