「寝てないよ」

「…寝てへんの?」

……

「起きてるゆうてや!」

「いや、ぼーっとしてたら杏が帰ってきて…ベッドに近づいたし驚かそうと思ったら…」


キスしたんか、そこであたしが。
はぁ


「杏からしてくれるの久しぶり」

「……今日は泉からもしてこんやん」


顔が近すぎるるからグイーっとおして距離を取ろうとするも、がっちり腰に腕が回り動けない。

向かい合わせは恥ずかしい!


ぐるりと体の向きを変えて泉にお尻を向けて寝転がる。

これで恥ずかしさは半減や


「バックハグの方が密着できるよな」

「ふぇ!?」

「細い腰。太りにくい体質なのかな」

「ちょ、ちょっと!さわさわせんといてよ」

「触っちゃダメ?」


ダメとかやなくて!今やと思ってないからテンパってるんや!!
背を向けていたけどこのタイミングなんかと…、泉と話がしたくて振り返れば、タイミングを見計らったかのように唇を塞がれる。

な…



「2人きりで泊まりに来てて……キスなんかして歯止め効かなかったら困るだろ」


だから我慢してんだよ
あんまり今日キスしないのはそれが理由だ。


そう言って優しく瞼にキスをして泉は身体を起こす。