「りょーちんクビだってよ。香苗は来週から復帰らしいぜ」


「ふ~ん……」


「真理子は学校辞めるってさ。俺、結局言えなかったよ。子供がいるんじゃ、勝ち目ねーし」



翔がどこか寂しげに言葉を漏らす。


荷台を掴んでいた両腕を、いつの間にか私よりも太くなった、翔の腰に回した。



「おい、なんだよ」




上体をぎゅっと抱きしめると、どこか懐かしい感じがした。





翔の背中から、心臓の音が聞こえてきそうだった。