誰にも話していない家族のこと、


亮太先生になら、


受け止めてもらえるような、


そんな気がした。





「てゆうか、誰も帰ってこないし」





シャープペンを持ち直し、

なんともないような顔をしてノートをめくる。





「え?」



「次は? これ?」





問題集に目を落とす。










心が。










先生の顔が、




どうしても見れない。