…え?


う、うそ…。


わたしなんかが?と思ったけれど、先生の言葉がとても嬉しい。

お似合いだなんて…お世辞でも、喜んでしまう。


主役とか、演技とか、全然わからないし、わたしができるかわからないけど…


…許されるなら、やりたい。


だって、がっ君が王子様なんでしょう…?

わたしも、隣に立ちたい。



「わたしで、いいなら…「ダメです」



"してみたいです"と言おうとした声を、遮ったのは紛れも無く、王子様だった。


がっ君…?



「先生、桜は人前に立つのが苦手なんで、配役には入れないでください」



少し低めの声で、先生に言い放ったがっ君。

わたしはがっ君の横顔を見つめながら、思わず立ち上がった。

そんなっ…わたし、できるもん…!