あ…そっか…、王子様だ。



「王子様は京極さんしかいないよね…!」

「京極君ならぴったりだと思う!」

「俺らに王子は出来ないわ〜」



きっとこの場にいる誰もが、同じ考えだった。


がっ君は、存在が王子様みたいだから…がっ君なら、ぴったりだ。

王子様の衣装を着たがっ君を想像するだけで、ドキドキしてしまう。


きっとかっこいいんだろうなぁ…。



「僕なんかが王子様なんてして、大丈夫かな」



謙虚ながっ君は、ははっ…と苦笑いを溢した。



「でも京極さん、生徒会の方が忙しいんじゃない?」



心配した先生の言葉に、女の子たちが「えー!」と声を揃えて残念がる。



「京極君がいい〜!」

「京極君だったら絶対学年1位とれるよ…!」

「京極君の王子様見たいー!」



熱い指名に、がっ君はもう一度、苦笑いを浮かべた。