「僕が桜を、叱られるような状況にするわけないだろう。大丈夫。課題もちゃんと出したから、出席扱いにしてくれるだろう」



がっ君は満面の笑顔で笑って、わたしはあまりに用意周到すぎるがっ君に苦笑いしか返せなかった。


教室に戻っても、みんながっ君に久しぶりと声をかけるだけで休んでいたことに関しては誰も聞かなかった。



なんだか…ちょっと怖い…あはは…。



いつも通りの日常。

いつも通りの、教室。


なんにも変わらない日常に、ホッとする。


チラリと横の席に座るがっ君を見ると、いつものように、女の子に囲まれていた。

それも、変わらない。


彼女になったからと言って、特別学校生活が変わることは無さそうだ。


変わったのは…わたしの胸の痛みが、ちょっぴり増したことくらい。