『俺、東京に行くのが夢なんだ!いつか有名なスタイリストになって、芸能人のカットとかしちゃったりしてね』



『カッコいいね!その前に私の髪の毛切ってよ』



『パッツンでいい?』


『嫌!!しっかり頼むわよ。未来のカリスマさん』



彼女はポンと俺の
肩をたたいた





『私ん家ここよ』


彼女は立ち止まり
指を指した


『もしかして独り暮らし?』


『うん…。独り暮らしの夜って結構寂しいよね』



『…よかったら夜俺が電話相手するよ』



多分、顔が赤くなってたかもしれない
今日会えたのは
運命だと勝手に
思い込んでしまった
俺は勇気を出して



携帯を取り出しながら言った





彼女は少し驚いた顔をしたが
携帯を取り出し


『悠君なら安心かな』


俺たちはこの日
番号交換した






結城恵


俺の携帯に
名前を見るだけで
胸が騒ぐ


彼女の名前が登録された