何で?!


あんなに明るく笑ってた彼女が


今、泣いてる…




『結城さん…』



彼女は俺の声に
気付きゆっくり
顔を上げた


『…美容師のお兄さん?』



『どしたの?』


彼女は急いで
涙を拭き無理矢理
笑顔を作り


『なんでもないよ』


と答えた


これ以上はお客さんだし俺には聞く資格は
ないなと思い


黙って隣りのブランコに腰をかけた




しばらく沈黙が
続き彼女が


『…お兄さん名前なんていうの?』


『緒方悠です』



『悠君って言うんだ。何か見た目と名前が合ってるよね』



『それってほめてる?』


彼女は笑った




『夜遅いし俺送るよ。』



『ありがとう』



彼女ともっと一緒にいたくて


俺はゆっくり歩き
夢の話をした