「もし私が死んでも、あなたはまっすぐに生きてね。」
彼女が病床に伏してから、僕へ言うようになった言葉だ。もう何回聞いただろう。
彼女は半年前、小さな悪魔を体に宿し、すくすくと成長させてしまった。彼女の体がどれだけ居心地が良いのか、何人もの大人が彼女の体をいじっても、出て行ってはくれなかった。
そんな悪魔の成長とともに、彼女は歩くことが難しくなり、1人で生活することができず、今では自力で起き上がることさえ容易ではなくなった。
僕は彼女と一緒に居ると、とても幸せな気持ちになる。それは出会った頃から今まで変わらないことだ。
だけど僕は、君を幸せにできていただろうか。
ふと考えてしまった。
今からでも遅くはない。
僕は、彼女のためならなんでもすることにした。