わたしが小学6年生だった頃に、お母さんは買い物に行く途中に家を出て、事故に遭い亡くなってしまった。



『お母さーん!! お母さん置いてかないで!』



棺桶で、たくさんの花に包まれて目を閉じているお母さん。


大好きだったお母さん。


わたしにいつも優しかったお母さん。


そのお母さんが、わたしを置いて天国に行ってしまったのだ。


1人にしないで、お母さん。



『可哀想にねぇ……』



『あんなに若くして……』



参列者が、ひそひそと話すのが聞こえたけれど、わたしはずっと泣くことしかできなかった。